
「梅毒」は非常に有名な性感染症なので誰もがその名前を聞いたことがあると思います。
日本では徐々に梅毒の感染者数が増えていて、年間梅毒患者数が毎年更新されています。
梅毒に感染すると様々な症状が表れ、症状が進行をしていくと命に関わることもあります。
現代では、医学の進歩によって梅毒が原因で死ぬ人はほとんどいませんが、症状が進行すると治療が大変になります。
ということで、梅毒の症状・初期症状をあらかじめ知っておき、感染の疑いがあればすぐに対処できるようにしておくことが望ましいです。
今回の記事では、梅毒の症状や初期症状を男性・女性別に症状の写真を交えて詳しく解説をしていきます。
梅毒ってどんな病気?
梅毒はトレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)という螺旋状の真性細菌によって発症する感染症です。
冒頭にも書いたように、梅毒は日本で年々拡大を続けている感染症です。
感染の主な原因は性行為によるもので、若年層のセックスの増加によって特に10代~20代の感染者数が増えています。
感染が確認されたのは500年程前のことで、当時は不治の病として多くの人が梅毒によって命を落としました。
しかしながら、現代では医療の進歩によって日本で梅毒で命を落とすというケースはほどんど無くなりました。
ただし、梅毒に感染していると他の危険な性感染症(HIVなど)に感染する確率が上昇するため、梅毒も十分に危険な性感染症であると言えます。
ちなみに「梅毒」の名前の由来は梅毒でできるはれものが「楊梅(そうばい)」の果実に似ていたことで、梅毒と呼ばれるようになりました。
梅毒の症状について
梅毒の症状についてですが、一般的に梅毒は病気の進行状態によって4つのステージに分類されます。
その4つのステージについてですが、命に関わるような症状になるのは第3ステージ以降です。
症状が第4ステージまで進行してしまうと、治療をしても助かる見込みはほとんど無い状態になってしまいます。
日本では梅毒が第3ステージまで進行するケースは非常に稀なことではありますが、ゼロではありません。
第1ステージか第2ステージの段階で感染に気がつけるように、梅毒の初期症状をしっかりと知っておきましょう!
梅毒第1ステージの症状
梅毒第1ステージはトレポネーマ・パリダムに感染してから3週間~3ヶ月間くらいの期間です。
梅毒は原因菌の感染からおおよそ3週間程度の間潜伏してから、始めて症状が表れるようになります。
症状は「梅毒の原因菌に感染した箇所に小さなコブ(1cm~2cm程度)ができる」というものです。
コブができる箇所はセックスによって他者と接触しやすい場所である「口唇」「口内」「陰部」などです。
稀な毛ケースではありますが、アナルセックスを行っている場合には「肛門」や「直腸」にコブができることもあります。
コブはしばらくして治ってしまうケースと悪化して潰瘍になるケースの2つがあります。
ただ、症状が悪化して潰瘍ができてしまった場合でも、この潰瘍もしばらくしたら治ってしまいます。
梅毒第1ステージの症状は軽くて痛みも感じることがないためコブが見えにくい場所にあると全く気がつくことができないケースもしばしばあります。
梅毒第2ステージの症状
梅毒第2ステージは第1ステージ後(感染後約3ヶ月)~3年間くらいの期間です。
第1ステージでは感染患部だけに表れていた症状が、第2ステージでは全身に症状が表れるようになります。
全身に症状が広がってしまう理由は、病原菌や病原菌が生成した毒素が血液やリンパ液を介して全身に広がってしまうからです。
第2ステージで最も表れやすい症状は、第1ステージの際にできたようなコブが全身にできるという症状です。
特にコブができやすい箇所は四肢の先で足や手にできることが多いです。
また、全身のリンパ節が腫れるという症状も表れやすいです。
第2ステージも放置をしていればその内に症状は収まってコブはキレイに無くなってしまう場合が多いです。
第1ステージの際には症状に気がつけなくても、第2ステージの場合には全身に異変が起こるのでほぼ確実に感染を知ることができます。
第1ステージと同様に、第2ステージでも痛みやかゆみを感じない場合がほとんどです。
梅毒第3ステージの症状
梅毒第3ステージは第2ステージ後(感染後約3年)~10年間くらいの期間です。
第2ステージの後にしばらく潜伏し、トレポネーマ・パリダムに感染をしてから3年~10年くらいしてから第3ステージの症状が表れだします。
症状は第2ステージと同様にコブができるというものですが、コブの質が違います。
第3ステージの際にできるコブは「ゴム腫」と呼ばれるゴムのように固い感触のコブです。
また、ゴム腫ができる場所は皮膚の表面だけでなく、筋肉や骨などにもできることもあります。
この時期も体調的な問題はほとんど起こらず、病気による健康被害はほとんどありません。
しかしながら、徐々に身体は蝕まれていて健康に致命的な被害を与えるのは時間の問題になっています。
第2ステージの症状を放置しているとしばらくして第3ステージに移行しますが、全ての人が第3ステージに移行するわけではありません。
放置をしていても発病せず、第2ステージの状態で進行が停止してしまうケースも多いです。
また、日本では医療技術の進歩によって、梅毒が第3ステージまで移行するケースはほとんどなくなっています。
梅毒第4ステージの症状
梅毒第4ステージは第3ステージ(感染後約10年)以降の期間です。
第4ステージは全身がトレポネーマ・パリダムに蝕まれた状態で、臓器・脳・神経・脊髄に腫瘍ができてします。
生命を維持するために重要な器官が破壊されてしまうので、この段階まで症状が進行すると治療で回復する見込みはほとんど無くなってしまいます。
身体を動かす能力が低下して歩くことができなくなったり、脳に障害が発生して痴呆などを発症することもあります。
この時点で治療をして症状の進行を抑えたとしても重篤な後遺症が残ってしまいます。
男性・女性での症状の違いについて
多くの性感染症において男性・女性で表れる症状が違いますが、梅毒の場合は性別によって表れる症状に違いはほとんどありません。
違いがあるとすれば、初期症状がペニスに表れるか膣に表れるかというような違いだけです。
症状が進行してしまえば、全身に疾患が表れるので性別で症状は変わらないものになります。
下に梅毒に感染した男性と女性の写真をグーグルで画像検索したリンクを設置しておきました。
衝撃的な写真もありますが、梅毒が進行するとこのような写真のような症状が表れるということは知っておいて損はないでしょう。
まとめ
梅毒の症状は初期症状の内に気がついて対処すれば、大きな影響はありませんし後遺症ものこりません。
梅毒の治療は非常に簡単なものですし、感染初期であれば服薬だけですぐに完治してしまいます。
ですが、梅毒を放置して症状が進行すると治療も難しくなりますし、進行があまりにも進んでいる場合には後遺症が残ってしまうこともあります。
もしも梅毒に感染している疑いがあるのであれば、今すぐにでも検査を受けるなどして対処をするようにしましょう!
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