「ヘルペス」というと口のまわりにできる「口唇ヘルペス」の印象が強いですが、性器に感染する「性器ヘルペス」という性病も存在しています。
近年になって性器ヘルペスは若い女性を中心として感染が急増しています。
性器ヘルペスは一度感染すると非常にやっかいな性病なので、症状や感染経路についてしっかりと知識を付けておくことをオススメします。
今回の記事では、性器ヘルペスの症状や感染経路などについて詳しく解説をしていきます。
性器ヘルペスとは？
性器ヘルペスの正式名称は「性器ヘルペスウイルス感染症」と言います。
この正式名称からも分かるように、性器ヘルペスの原因はウイルスの感染によるものです。
「ヘルペスウイルス」とひとくちにいってもウイルスには種類がいくつかあり、性器に感染するヘルペスウイルスと性器には感染しないヘルペスウイルスがあります。
ちなみに、ヘルペスウイルスは全部で8種類が確認されていて、その内の2種類（HSV-1とHSV-2）が性器ヘルペスの原因菌に該当します。
性器ヘルペスってどんな症状？
性器ヘルペスの症状は、性器の周辺の皮膚に水疱（水ぶくれ）や潰瘍（炎症）ができるというようなものです。
性器ヘルペスは、性器だけでなくふとももやお尻にも感染をします。
感染してから発症するまでの期間は1週間程度と短く、感染した箇所の皮膚に痛みを感じるようになります。
また、皮膚の痛み以外には発熱が起こったりや倦怠感を感じるケースもあります。
ただし、感染者全員に症状が表れるというわけではなく、ウイルスに感染していても症状が全く表れないというケースもあります。
再発するケースが多い
性器ヘルペスの特徴の1つが「再発するケースが多い」ということです。
皮膚の水疱や潰瘍が収まってきて治ったと思っていても、数ヶ月後にまた同じ症状を繰り返すということが多いのが性器ヘルペスの特徴です。
なぜそのような事が起こるのかというと、ヘルペスは完治することがない感染症だからです。
たとえ症状が収まったとしても、それはウイルスが死滅したわけではなく、ウイルスの働きが収まっただけだけなのです。
そして、ストレスや体調不良で身体のバランスが崩れると、ウイルスが再度活性化して症状が再発します。
性器ヘルペスの感染経路は？
性器ヘルペスの感染経路としては、ウイルスの感染者とのセックスで感染するケースが最も多いです。
近年では、オーラルセックス（フェラチオやクンニリングス）の一般化から性器ヘルペスのウイルスが口唇に感染することや、口唇ヘルペスのウイルスが性器に感染するというケースも増えてきています。
特に性器の粘膜面積の広い女性への感染力が高いので、女性の場合には注意が必要です。
また、皮膚から皮膚にウイルスが感染することもあるので、一般的な性病対策（コンドームの使用など）では完全には対処できない点にも注意が必要です。
珍しいケースではありますが、風呂でのタオルの使い回しなどでも感染してしまう可能性もあります。
母子感染の危険性もあり！
性器ヘルペスは出産時に母から子供に感染することもあります。
出産時に母親の産道が性器ヘルペスウイルス（HSV-2）に感染をしていた場合、子供が産道を通った際に感染をする可能性があります。
生まれたばかりの子供は肌や免疫力が弱いので、ヘルペスウイルスの感染によって致命的な影響を受けてしまうケースも多いです。
出産時の母親が性器ヘルペスウイルスに感染している場合には、産道での感染を防ぐために帝王切開によって出産が行われることもあります。
性器ヘルペスの治療方法は？
性器ヘルペスは上にも書いたように完治することはありません。ですが、症状を改善することは可能です。
性器ヘルペスの治療方法としてメジャーなものは「服薬」「塗り薬」「注射」によるものです。
塗り薬は比較的効果が弱く、ウイルスの活動を抑えるというよりも肌を守るというような効果に期待をするものです。
対して、服薬や注射は直接ウイルスに働きかけてウイルスの活動を抑えるという効果に期待できます。
ということで、症状が重い場合には服薬が、症状が軽い場合には塗り薬が選択されるのが一般的です。
まとめ
性器ヘルペスは感染経路を完全に断つことが難しい性感染症です。
また、一度感染をしてしまうと、現代の医学では完治させることができないのも厄介なポイントです。
性器付近の皮膚に異変があった場合、病院にいくのは恥ずかしいという人が多いと思います。
ですが、性器ヘルペスは悪化する前に治療をうければ重症化することはほとんどありません。
ということで、もしかしたら性器ヘルペスかもしれないと思ったらなるべく早くに病院で診断を受けることをオススメします。
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