トリコモナス症は性感染症の中でも非常に感染者数が多い病気です。
感染症というのは人から人へ感染するので、感染者が多いということは感染するきっかけが多いということになります。
感染する機会の多いトリコモナス症ですが、感染の原因や感染経路を理解しておけば感染予防が可能です。
また、トリコモナス症は女性に多い病気ですが、男性の場合にも注意する必要があります。
男性がしっかりとケアをしておかないと、パートナーの女性がトリコモナス症を完治させることは難しいからです。
今回の記事では、トリコモナス症の原因や感染経路を解説し、男性の感染における注意点も合わせて解説していきます。
トリコモナス症の原因は?
トリコモナス症の感染原因はトリコモナス原虫に感染をすることです。
トリコモナス原虫はミドリムシのような鞭毛を持った微生物で、多湿な場所を好む性質があります。
湿気が多いところを好むということもあり、トリコモナス原虫の感染箇所として最も多いのが女性の膣内です。
トリコモナス原虫が膣に感染して増殖を舌場合、膣が炎症を起こしてトリコモナス膣炎と呼ばれる症状を発症します。
トリコモナス症の感染経路
トリコモナス症の感染経路としては以下のような経路が挙げられます。
- 性行為
- 水回りでの感染
トリコモナス症の感染経路として最も多いのが「性行為」による感染です。
現在、日本の成人女性の3%~10%、成人男性の1%~2%がトリコモナス原虫に感染していると言われています。
数字から、特に女性の感染者数が多いことがわかりますね。
トリコモナス原虫の感染者と性行為をすることで性器にトリコモナス原虫が感染し、増殖をすることでトリコモナス症を発症します。
性行為以外の感染経路としては「水回りでの感染」があります。
トリコモナス原虫は湿気を好む性質があるので、トイレや風呂などの環境では長期間生き延びることできます。
なので、便座に接触することやタオルを使い回すことで感染することもあります。
男性と女性の違い
トリコモナス症の感染者数は女性の方が圧倒的に多いです。
その理由は、男性の身体よりも女性の身体の方がトリコモナス原虫にとって成育しやすい環境だからです。
トリコモナス原虫は男性の場合は尿道に、女性の場合は膣内もしくは尿道に寄生します。
尿道に感染したトリコモナス原虫は排尿時に体外に排出されてしまうことになります。
ですが、膣内に感染したトリコモナス原虫は体外に排出される機会が少ないので、尿道に感染するよりも増殖することが容易になります。
こういった理由があって男性の感染者よりも女性の感染者の方が多くなっています。
男性の感染の注意点
男性のトリコモナス原虫の感染者は女性に比べて少ないです。
しかし、男性でも感染をしている人は確かに存在しています。
男性の感染者が比較的少ないトリコモナス症ですが、特に男性の感染者で注意したいのが「自覚症状がほとんど無い」ということです。
女性の場合であればオリモノの変化で感染に気がつくことができますが、男性の場合は多少の痛みや違和感がある程度です。
なので、男性の感染者は知らず知らずの内に感染していて、パートナーの女性に感染させているケースがあります。
女性が治療を受けてトリコモナス膣炎を完治させたとしても、パートナーの男性が感染していれば性行為時に再度感染することになってしまいます。
逆に男性が治療を受けてトリコモナス症を完治させても、女性側が完治させていないと、男性がまた感染してしまいます。
ということで、性病検査や治療を行う際は必ずパートナーと一緒に受けるようにしましょう!
トリコモナス症の予防方法
トリコモナス症を予防する上で最も効果的なのが「コンドームを利用すること」です。
トリコモナス原虫は性器同士が接触することによって感染します。
コンドームを使用すれば性器同士の接触を防ぐことができるので、感染することはほとんど無くなります。
ただし、注意したいのは口を使ったオーラルセックス(フェラチオやクンニリングスなど)の際にもコンドームをつけていないと感染する可能性があるということです。
オーラルセックスの際にコンドームを付けるという習慣は日本では普及していませんが、オーラルセックスでも性感染症に感染する可能性はあります。
近年はオーラルセックスの一般化によって、喉に感染している人が増えています。
なので、オーラルセックスの際にも性感染症の原因菌に感染することがあるということをしっかりと認識してことが重要です!
まとめ
トリコモナス症は性行為での感染がほとんどですが、水回りでの感染もありえます。
ということで、家族の誰かの感染が発覚した場合には、なるべく感染経路を断つように注意して生活をすると良いでしょう。
また、成人男性の感染率は低いながらも自覚症状がほとんど無いので、気がつかない内に感染している可能性もあります。
なので、男性に症状がなくても、パートナーがいる場合には、必ず2人で検査・治療を受けるようにしましょう!
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