トリコモナス症は成人女性の3%~10%もの人が感染をしている性感染症です。
これほど多くの感染者がいながらも、トリコモナス症のことをちゃんと知ってる人はほとんど居ません。
トリコモナス症は放置をしていると非常に危険なので、しっかりと検査・治療を受けることが重要です。
今回の記事ではトリモナス症の検査方法や治療方法、使用される薬や完治の可能性について解説をしていきます。
トリコモナス症とは?
まずはトリコモナス症について簡単に説明をしておきます。
トリコモナス症は「トリコモナス原虫」というミドリムシのような微生物に感染することで発症します。
最も感染しやすい箇所は膣で、膣に感染をした場合には膣の炎症(膣炎)を起こします。
症状が軽い場合は大きな悪影響はありませんが、トリコモナス膣炎が悪化すると不妊症や性感染症の併発などの症状が出ることになります。
トリコモナス症の検査方法
トリコモナス症の検査方法としてはいくつかの手段があります。
下に列挙したのがトリコモナス症の検査の際に使用される方法です。
- 顕微鏡検査
- 培養検査
- 遺伝子検査
ここからは、上で紹介した3つの方法についてそれぞれ解説をしていきます。
顕微鏡検査
顕微鏡検査はトリコモナス症の検査の際に最も良く行われる検査です。
トリコモナス症の原因菌であるトリコモナス原虫はウイルスと比較してかなり大きいので顕微鏡で見ることができます。
オリモノや尿を採取して、それを検体として顕微鏡検査をします。
簡単に検査ができるというメリットの反面、感染初期の場合はトリコモナス原虫の数が少なく、見逃してしまう可能性があります。
培養検査
培養検査はオリモノや尿を採取してトリコモナス原虫を培養する検査です。
培養に使用するための環境をトリコモナス原虫だけが育つような環境にしておけば、簡単に感染を確認できるようになります。
トリコモナス症の疑いがあり、顕微鏡検査で結果が不明だった場合に培養検査が行われることが多いです。
培養検査のデメリットとしては、検査結果が判明するまでに培養のための時間が必要になることです。
培養時間は1日~2日程度必要なので、検査を受けた当日に結果を知ることはできません。
遺伝子検査
3つの検査方法の中で最も精度が高いのが遺伝子検査です。
遺伝子検査は検体を採取して、その検体の中にトリコモナス原虫の遺伝子が含まれているかを検査する方法です。
検査精度は非常に高いですが、トリコモナス症の検査で遺伝子検査が行われることはほとんどありません。
理由は、トリコモナス症は顕微鏡検査と培養検査でかなり高い確率で診断することができるからです。
また、遺伝子検査は大きな病院でないと行うことができないことも、遺伝子検査が行われることが少ない理由の1つです。
メリットとしては高い検査精度以外にも、死んだトリコモナス原虫も検出できるという点が挙げられます。
トリコモナス症の治療方法
トリコモナス症の治療はクスリを使用することによって行われます。
クスリによってトリコモナス原虫の繁殖を抑えて殺すことで、病気の原因菌を除去する方法をとります。
治療にかかる時間は症状の重さにもよりますが1週間程度で、その期間クスリを使い続けることになります。
ということで、トリコモナス症は性感染症の中では比較的短時間で治療ができる病気であると言えます。
トリコモナス症の治療薬
トリコモナス症に使用するクスリは数種類あり、トリコモナス原虫の耐性によって使用するクスリが変わってきます。
また、治療薬の使いかたには「膣錠タイプ」と「内服タイプ」の2種類があります。
膣錠タイプは膣にクスリを入れて利用するものなので女性の場合にしか使用できません。
トリコモナス症は尿道にも感染しているケースがあり、膣錠タイプの治療薬では尿道には効果がありません。
そういった理由もあり、内服タイプのクスリが比較的多く利用されます。
トリコモナス症は完治する?
性感染症の中には現代の医学では完治させることができない病気もあります。
では、トリコモナス症は完治させることが可能なのでしょうか?
結論から言えば、トリコモナス症は完治させることが可能な性感染症です。
基本的に、病院で治療を受けてクスリを継続して飲み続ければトリコモナス原虫を完全に除去することは可能です。
ですが、パートナーと一緒に治療を受けないと完治してもすぐに再発をしてしまうことに注意が必要です。
パートナーがトリコモナス原虫に感染していれば、せっかく完治しても、性行為時に再度感染してしまいます。
どの性感染症にも言えることですが、性感染症の検査・治療はパートナーと一緒に受けることが大切です。
まとめ
トリコモナス症は検査や治療が簡単な性感染症です。
短い期間、治療薬の使用を続けることで治療すること可能ですし、完治も簡単にできる性感染症です。
ですが、簡単に治療できるからと言って放置しておくと、不妊症になったり他の性感染症を併発するので危険です。
もしも、トリコモナス症の疑いがあるのであれば、今すぐにでも性病検査を受けるようにしましょう!
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