
日本ではエイズ/HIV感染者が増えている状態にあり、エイズ/HIVに関する知識も徐々に浸透しつつあります。
しかし、日本におけるエイズ/HIVの感染確率・感染率についてまで知っているという人はかなり少ないのではないでしょうか?
エイズ/HIVに感染している人と性行為をすると非常に高い確率で自分にも感染すると思っている人が多いですが、実はこの認識は間違ったものです。
今回の記事では、日本におけるエイズ/HIVの感染確率・感染率について詳しく解説をしていきます。
日本のエイズ発症者、HIV感染者の推移
日本におけるエイズの発症者、HIV感染者はここ数年は横ばい傾向ですが、徐々に増加している傾向にあります。
下のグラフは日本では始めてエイズ患者が確認された1985年から2014年までのエイズ患者、HIV感染者の推移を表したものです。

画像引用元:http://www.hivkensa.com/whatis/
このブラフからも、エイズ/HIVが日本でも徐々に広まっていることがわかりますね。
エイズ/HIVは感染症なので、周辺に感染者がいれば自然と感染者数が増えていってしまうという恐ろしさがあります。
また、このデータは検査で確認を受けて判明した人のみを対象にしているので、実際にはこのデータよりも数倍の人がエイズ/HIVに感染していると言われています。
特に近年で顕著なのが、比較的若い年代でのエイズ/HIV感染です。
数年前と比較して、セックスの初体験年齢が低下しているということが、徐々に若年層のエイズ/HIVが増加している主な原因になっています。
エイズ/HIVの感染経路と感染確率
日本においてはエイズ/HIVは性行為による感染のイメージが先行していますが、性行為以外でもエイズ/HIVに感染するケースはあります。
エイズ/HIVの感染原因として性行為感染以外でメジャーなものには「母子感染」や「血液感染」があります。
出産時に母親がエイズ/HIVに感染している場合に、対処無しに通常の出産形態をとった場合は高い確率で子供もエイズ/HIVに感染してしまいます。
母子感染が起こる確率は出産の状況にもよりますが、だいたい30%くらいの確率で起こります。
また、血液感染には様々なルートがありますが、エイズ/HIVに感染した血液が輸血された場合は約9割という高い確率で感染してしまいます。
このように、母子感染や血液感染は非常に高い確率で引き起こされることがわかりますね。
しかしながら、日本は医療技術が発展しているので、まともな病院で輸血や出産をすれば、感染の危険性はほとんどありません。
ということで、日本においてはエイズ/HIVは基本的に性行為による感染がメインであると考えてよいでしょう。
⇒エイズ/HIVの感染経路を知って予防!性交以外での感染もある!
性行為でのエイズ/HIVが感染率はどれくらい?
さて、本題のエイズ/HIV感染者と性行為をした場合のエイズ/HIV感染確率ですが、実は感染率はかなり低いです。
状況によってことなりますが、コンドームを使用しない1度のセックスで感染する確率は1%以下です。
もちろん、性行為の時間や行為の激しさによって確率は変わってきますが、確実に感染するというレベルのものではありません。
なぜエイズ/HIVの感染率が低いのかというと、HIVウイルス自体の増殖力が非常に弱いからです。
エイズは一度発症をしてしまうと死に至る危険な病気ですが、発症するまでに進行することはそれほど多くはないのです。
ですが、感染率・感染確率が低いからといって注意する必要がないというわけではありません。
1%の確率で人生を大きく左右するような病気に感染する可能性があるというのは、十分に恐ろしいことだと言えるでしょう。
エイズ/HIVの感染確率・感染率が高い性行為と低い性行為について
上でも書いたように、性行為感染と一口にいっても状況によってエイズ/HIVの感染確率・感染率は大きく異なります。
では、感染確率・感染率が高い性行為とはどのようなものなのでしょうか?
性行為の中でもエイズ/HIVに感染しやすいのが「アナルセックス」です。
直腸は膣と比較して粘膜が薄く非常にデリケートで傷つきやすい構造をしていますし、傷がつけばそこからウイルスが体内に侵入しやすくなります。
逆に、エイズ/HIVの感染確率・感染率が低いのはフェラチオやクンニリングスなどの口を利用した「オーラルセックス」です。
喉粘膜が傷ついている場合は感染しやすくなりますが、オーラルセックスでは粘膜が傷つきにくいため感染率・感染確率が低くなります。
日本では男性の方がエイズ/HIVが多い
男性と女性のエイズ/HIVの感染者比率ですが、実は男性の方が感染者数が数倍も多くなっています。
男性の方が感染者数が多い原因として大きなものが、男性の同性愛者の感染率の高さです。
上に書いたように、アナルセックスは感染率が高く、また妊娠の可能性が無いのでコンドームを使用するケースも少ないです。
このようなことが理由となって、男性の同性愛者はエイズ/HIVに感染するリスクが高くなっています。
女性の同性愛者の場合は、男性とは異なりアナルセックスで感染することはないので、男女で感染者数に開きが出ているということですね。
男性と女性では女性の方がエイズ/HIVに感染しやすい
男性の方が感染者数が多いエイズ/HIVですが、実は男性と女性では女性の方がエイズ/HIVに感染しやすいです。
その理由は膣の構造にあり、男性の性器と比較して粘膜の面積が広いことに原因があります。
エイズ/HIVにかぎらず、性病は女性の方が感染しやすい傾向にあります(特にカンジダなどの菌類が原因となる性病は女性の方が圧倒的に感染しやすいです)
また、女性の場合は性病が悪化すると生殖機能に大きな悪影響を与えて不妊に陥ってしまうケースもあります。
男女によってこのような違いがあるので、男性も当然ながら注意が必要ですが、女性の場合は特に性病に注意するようにしましょう。
まとめ
エイズ/HIVの感染原因となるウイルスはインフルエンザなどの強力なウイルスと比較して非常に弱いために、相対的に見て感染率は低いと言えます。
ですが、感染してしまった場合はインフルエンザの比では無いほど危険な状況に陥ることになります。
性病は病院で検査するのが恥ずかしいというのであれば、性病検査キットを利用して病院と同等の精度で検査をすることも可能です。
もしかしたらと思う節があれば、今すぐにでも病院にいったり検査を行うなど対策をするべきでしょう。
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