
エイズ/HIVという感染症について、言葉を聞いたことが無いという人は日本にはいないと思います。
ですが、その初期症状や発症時期などについてちゃんと把握しているという人は少ないのではないでしょうか?
実は、エイズ/HIVの初期症状は日常生活でたまに体験する体調不良とあまり変わりがないことが多いです。
なので、初期症状が見逃されてしまうことが多いのですが、その見逃しは命に関わるものです。
今回の記事では、エイズ/HIVの初期症状や発症時期などについて詳しく開設をしていきます。
エイズ/HIVってどんな病気
エイズとHIVは同じものと認識している人も多いですが、実際はエイズとHIVは異なるものです。
簡単に言うと、エイズというのは病気の名前でHIVというのはウイルスの名前です。
つまり、HIVというウイルスに感染して発症する症状がエイズ(AIDS)であるということですね。
HIVの正式名称はHuman Immunodeficiency Virusで日本語に訳すと「ヒト免疫不全ウイルス」といいます。
また、エイズの正式名称はAcquired Immune Deficiency Syndrome(略称:AIDS)で日本語に訳すと「後天性免疫不全症候群」となります。
エイズ/HIVに感染、発症をすると免疫力の低下を引き起こし、身体を病気から守るシステムが破壊されるのであらゆる病気にかかりやすくなります。
例えば、健康体であればなんでもないホコリのようなものを吸い込んだとしても、エイズ/HIVだと悪影響を受けることもあります。
エイズ/HIVは死に至る恐ろしい病気ですが、エイズ/HIVだけで命を落とすケースはほとんどありません。
エイズ/HIV自体が引き起こすのは免疫力の低下であり、症状が進行した場合には免疫力の低下に伴って発症した他の病気で死ぬことになります。
エイズ/HIVの初期症状とは!
HIVに感染した場合、HIVは人間の体内で増殖を始めます。
このとき、HIVに感染したとしてもほとんどの場合は増殖に成功することなく、そのまま増殖は終了してしまいます。
しかし、一度増殖に成功してしまうと、それ以降は徐々にウイルスが体内で増殖を続けていくことになります。
この最初の増殖期の際には様々な初期症状が起こります。
その初期症状で起こりやすいものを紹介していきます。
発熱
エイズ/HIVの初期症状として最もあらわれやすい症状が「発熱」の症状で、発熱をともなう確率は9割もあります。
体温がどれだけ上昇するのかというのは人や状況によってことなりますが、高い場合には40℃の高熱になる場合もあります。
もちろん、37℃程度の微熱の場合もありますし、全く発熱をしないという場合もあります。
エイズ/HIVの初期症状としての発熱が長期に渡ることはほとんどなく、数日~1週間程度で収まることが多いです。
リンパ節の腫れ
発熱に次いでエイズ/HIVの初期症状として起こりやすいのが「リンパ節の腫れ」で、リンパ節の腫れの症状をともなう確率はおおよそ7割ほどです。
ウイルスはリンパ液の中で増殖をするので、リンパ液のあつまるリンパ節が腫れるケースが多いのです。
もちろん発熱と同じく、全く症状があらわれないケースもありますが、統計上7割もの確率でリンパ節の腫れが確認されています。
ちなみに、リンパ節は身体にたくさんあり、特に晴れやすいのがアゴや耳や脇の下あたりのリンパ節です。
リンパ節の腫れも比較的長期間続くものではなく、こちらも数週間程度で収まることがほとんどです。
咽頭炎
エイズ/HIVの初期症状として起こりやすい症状の1つに「咽頭炎(喉や鼻の奥にある部分の炎症)」です。
咽頭炎の自覚症状としては喉の腫れや痛みがあげられますが、こちらもエイズ/HIVの主な初期症状であり7割程度の方が咽頭炎を発症します。
喉は他の性病(クラミジアなど)がかかる場所でもあるので、HIVの感染と同時に喉に他の性病の症状があらわれることもあります。
エイズ/HIVの初期症状だけであれば数週間でおさまりますが、他の性病のせいで症状が長引く場合もあります。
長期にわたって咽頭炎が治らない場合には、性病検査キットを利用したり病院で検査を受けたりするなど対処すると良いでしょう。
発疹
エイズ/HIVの初期症状として外見にあらわれやすく分かりやすいのが「発疹」です。
発疹についてエイズ/HIVの初期症状として7割程度という高い確率であらわれる症状です。
発疹が表れる場所は人それぞれで、顔や四肢など様々な場所にあらわれます。
強めの発疹が出た場合には、皮膚科に訪れる人は多いですが、発疹をいきなりエイズ/HIVの初期症状と捉えるお医者さんは少ないです。
発疹は様々な病気で表れる症状ですし、初期症状の段階でエイズ/HIVと結びつけるのは難しいからです。
もし、自分の身にエイズ/HIVの心当たりがあるのであれば、性病検査キットを利用して感染の有無を自分で調べるというのも方法の1つでしょう。
その他
7割程度の人が経験するエイズ/HIVの初期症状は上記のものですが、それ以外にもエイズ/HIVの初期症状は様々あります。
たとえば「筋肉痛」「頭痛」「下痢」「嘔吐」などがあり、これらの症状は5割前後の方が経験するエイズ/HIVの初期症状です。
ここまで見て頂ければ分かると思いますが、エイズ/HIVの初期症状は単なる風邪や体調不良とほとんどかわりの無いものです。
そして、初期症状が軽微であるがゆえに、気がつかない内に症状が進行してしまい取り返しが付かない状態になってしまうのです。
エイズ/HIVの初期症状の特徴と見分け方
エイズ/HIVの初期症状は上にも書いたように、風邪や体調不良とほとんど変わらないものです。
では、エイズ/HIVの初期症状と風邪や体調不良は症状を見ただけで区別をつけることが可能なのでしょうか?
結論から言うと、エイズ/HIVと通常の風邪を症状だけで見分けることはほぼ不可能です。
エイズ/HIVの初期症状と風邪はほぼおなじ症状なので、該当する症状が出て病院に行ったとしても、ほぼ確実に風邪の診断で終わってしまいます。
ですが、血液検査を行ってウイスルの有無を確認すればエイズ/HIVの感染を見抜くことは可能です(ただし、風邪の検査でここまですることは、ほとんどありません。)
もし、上記のような症状があり、感染に心当たりがある場合にはいますぐにでも性病検査をすることをおすすめします。
エイズ/HIVの初期症状の発症時期について
エイズ/HIVの初期症状の発症時期には個人差がありますが、ウイルスに感染してからだいたい2~3週間程度であらわれます。
ウイルスが体内に侵入してリンパ液の中で増殖を始め、ある一定以上の増殖をして人体に影響を与えるのまで2~3週間かかるからです。
上にも書いたように、ウイルスが体内に侵入したとしても100%の確率で増殖に成功するわけではなく、ほとんどが増殖失敗に終わります。
初期症状があらわれるほどにウイルスが増殖すると体内の免疫機能が強烈にウイルスを攻撃し、増殖を抑えます。
その後、増殖が抑えられたウイルスは一旦おとなしくなりますが、数年をかけて徐々に体内で増殖をしていき、今度は免疫機能自体を破壊していくのです。
ウイルスが再度増殖し、免疫機能が大きく低下してしまった場合には、非常に弱い菌やウイルスが体内に侵入しても対処不能になります。
そして、最終的には菌やウイルスの増殖を抑えることができなくなり、死に至ることになります。
まとめ
エイズ/HIVの初期症状には様々なものがありますが、症状だけで風邪や体調不良と区別を付けることは難しいです。
また、医者にいったとしても初期症状だけでエイズ/HIVを見抜くことはほとんどできません。
ということで、もしウイルスの感染に心当たりがある場合には、自分の身を守るためにも性病検査キットを使うなどして感染の有無を調べることをおすすめします。
現代は医学の進歩によって、エイズは早期発見することができれば、ウイルスの増殖を抑えて病状の進行をストップさせることも可能になっています。
進行前に見つけることが重要な病気なので、もしかしたらと思ったらすぐにでも検査をするようにしましょう!
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